京芸模試 優秀作例紹介

2/7(水)〜2/9(金)に、今年度最後の京都市立芸術大学 実戦実技模試が行われました。
その模試で制作された作品の中から優秀作例を、講師によるコメントつきで紹介します。
また、8月と12月に行われた夏期・冬期の模試の優秀作例も一緒に公開。

※2/14(水) 色彩課題の同順3位作品コメントを追加しました。

直前京芸模試風景

直前 京都市立芸術大学 実戦実技模試

描写

モチーフ:単色おりがみ(100枚)、ビニタイ5本


240/250点

作品全体の描写精度はもとより、与えられたモチーフの空間的構成・演出ともに、うまくまとめている作品です。具体的な評価観点は、大まかに以下4点です。@鉛筆と筆圧の選択が適切で、無理なく、またあくまで自然な「白い折紙」を立体的、空間的に描けています。また、A変形させた折紙で作られたモチーフは、過度にならず、また造作には適度なバリエーションの幅を持たせています。そしてB白い折紙に対しての金色のビニタイのコントラストが、正確に表現されています。C奥へと続く空間演出として、あえて寝かせた折紙を用いて床面を感じさせることに成功している構成です。演出と描写空間の秩序をコントロールできており、出題に対する作者の対応力の高さが見える作品です。


240/250点

観察描写表現における写実性を高く評価しました。@形が正確で、変形した折紙が正方形だったことが容易に想像できます。ビニタイの長さや太さといった細かな関係も合っています。A作品全体の調子の配分が正確で、写実的な描写に成功しています。特にビニタイの微妙なハイライト、キラッと光る金色の印象を正確に表現しています。B他の1位作品同様、白い折紙の加工が構成の演出として適当です。またこの作品も、C空間表現が的確で、画面奥へとノンストレスで視線が誘われる構成を演出しています。作品全体と部分の関係を、4時間制作で正確に描ける観察力と表現力は、現役生とは思えません。


238/250点

白い折紙を、ボリュームたっぷりに加工して迫力ある存在感にまで描ききった作品です。@ボリュームを損なわず、白さも損なわず、変形させた折紙を立体的に描いています。Aビニタイに与えた形の変化を、細部にいたるまで表現できています。B空間的な構成が魅力的です。具体的には、高さのあるモチーフの位置、手前のモチーフと中間から奥にかけてあえて重ねず、間を入れることでメリハリを演出している点は、作者の構成力の高さを見てとれます。


238/250点

やや画面上部の余白が気になりますが、モチーフの変化を事細かに描き切った点を評価しました。@折紙の形が正確で、皺をつけるなど変形し加工したモチーフも信用出来ます。A面状の折紙と、変形させ立体的になった折紙の明暗の差、固有色の描き分けが正確です。Bビニタイの演出、描写が魅力的です。作者の描写の正確さがうかがえる作品です。


238/250点

模試作品の中で、一番調子が綺麗に表現されている作品でした。@白い折紙に対するビニタイのコントラストが美しいです。若干演出が少なく、シンプルな構成ですが、この白さの描写には、十分訴求力があります。A正方形のもつ単調な方向性を、微妙にずらして構成することに成功しており、単調ですが単純でない構成だと言えます。またB空間の中央に折紙を重ねて置くことで、100枚というボリュームをさりげなく表現しています。前に出る存在感や迫力だけでなく、繊細かつ丁寧に描かれた細密描写は魅力的です。

色彩

以下の条件に従って、色彩で表現しなさい。

  • 1.解答用紙を右の図のように短辺の中央同士を結ぶ直線分を作図し、画面@とAを区切る。
  • 2.画面@と画面Aに於ける基調色の関係が反対色になるように構成すること。
  • 3.解答用紙は横位置で使用すること。
  • (条件は一部抜粋)

246/250点

割れた卵の殻の硬さと卵の中身のやわらかさの対比を、色・形・構成を上手く使って、作者の狙ったコンセプトが明解に表現されている作品です。直線的な表現と曲線的な表現が響き合い、その一瞬の動きや音すら感じられます。2つの画面で構成する場合、「対比」というテーマが透けて見えます。その課題テーマを作者がしっかり読み解き、独創的で魅力的な制作ができていると感じました。2つの画面は一見単純な青とオレンジの画面にも見えますが、繊細な淡い色彩の中で変化に富んだ色を重ね合わせており、非常に美しい色を作れていることも魅力につながっています。


240/250点

ひらひらと風になびいている花をモチーフに、開花からゆるやかにしおれていく変化を大きく構成し表現した作品です。さまざまな技法を使って描かれていますが、雑に見せない筆の扱い方や重ね合わせる色の選び方に技術力の高さを感じます。「それぞれの画面の基調色を、反対色の関係にする」という条件も、単純に制作してしまうとギラつきやすいのですが、それをうまくコントロールしてやわらかな雰囲気に変換させています。色に対する理解と技術力の高さを総合し高得点へとつながりました。


220/250点

対照的な表情の人の顔を構成した作品です。マグカップから出るゆらゆらとした湯気の形や髪の毛の形を連動させ、あえて形を曖昧に見せることで夢の中へとまどろむような雰囲気を演出しています。2画面をまたがって形を配置させる中で色相の変化だけでなく、明度差や彩度差も変化させることで真ん中の直線を違和感なく存在させることに成功しています。色の響き合いが美しい作品ですが、筆の扱いや描写が単調な点が気になるので、作業にもう少しバリエーションが欲しいところです。


220/250点

タコをモチーフに大きく構成した作品です。モチーフを大きく描く、という点では非常にシンプルな作品ですが、吸盤を表現した部分に、立体的に表現された部分、平面的にデフォルメされた部分、線描で表現された部分など、見る人を飽きさせない工夫が施されています。2画面の基調色をそれぞれの画面へどう取り入れていくかという点においても悪目立ちさせず、かつアクセントになるような色を選択できており、丁寧な仕事ができていると感じました。第一印象の良い作品ではありますが、もう一歩点数を上げていくためには、全体の色を大きく緩やかに変化させていくなど、全体を意識した仕事の丁寧さが必要です。

立体

与えられた材料を用い以下の条件に従い立体表現しなさい。

  • 1.解答作品には、バロンケント紙、フェルト生地、綿より糸、木工用速乾接着剤、紙粘着テープのみを使用しなさい。
  • 2.支給された解答用材料は必ず使用すること。
    ケント紙、綿より糸はすべて使いきらなくても良いが、フェルト生地は全て使い切ること。
  • (条件は一部抜粋)

232/250点

フェルト生地の特徴である「柔らかさ」から形を発想して制作した作品です。作品全体の重さを支える構造体も、曲線を基調とした形を作ることにより、作者の意図が伝わる作品に仕上がっています。内側に大きく開いた空間の中に、他の形とは印象の違う具体的な「花」の形を作ることにより目が留まるポイントを設定しています。この目が留まるポイントから派生するように立体を組み立てることによって、抽象的な形と具体的な形という違ったアプローチの制作を乖離させることなく、心地よく調和させることに成功しています。
惜しむらくは、綿より糸の扱いに緊張感、魅力がまだ生まれていない点です。
線を張る場所と形との関係性がもう少しはっきり見えてくればさらなる飛躍が可能でしょう。


230/250点

複雑な曲線の連続が一見するとランダムにも思える形ですが、よく見ていくと水面に見える光のゆらぎや、不定形な気体の動きのようにも見え、自然の中に見られる美しいリズムを感じることができます。強度が弱くなりがちな開放立体でのアプローチですが、支えとなる部分の充填率を上げることにより、ある程度の重さを支えられる構造を作っていること、紙とフェルト生地を複数枚積層させ素材自体の強度を増すことによって、開放立体の弱点を克服することができています。
綿より糸の扱いは小さな塊状にして作品表面に装飾的に貼り付けるという独特なアプローチ。規則的に貼り付けられたその形は金属のビスを彷彿とさせます。大きな形は自然物的な印象、細部は人工物的な印象と面白い組み合わせだと感じます。
作品全体がやや小さくなってしまった点が気になりましたので、外側にあと一層同じルールで形を追加したいところです。


228/250点

フェルト生地を蛇腹に織り上げた形が印象的な作品でした。実はこの蛇腹形、私としては形の組み方が難しく個人的には積極的に選ばない加工の方法です。形の個性が強すぎて他の形との調和が難しいと感じるものの一つです。この形を選択した場合、まとまりを良くするために全体的に蛇腹ベースの形となり単調な印象となる作品が多いのですが、作者は必要最低限にこの形を抑えることにより単調な印象を回避することができました。また、蛇腹の厚みを全て異なるものにした点も良い判断でした。うまく蛇腹形を味方につけた良い例だと思います。
手前に見える線材化した紙立体の部分には、やや必然性を感じることができませんでした。この場所に形がなければ空間的に締まらないという判断は正しいのですが、線をつなげる位置や太さ、そして見えてくる形にはまだまだ検討の余地があります。その他多くの受験生にも言えることですが、紙を線材的に使うときはマンネリズムに陥りがちですので注意しましょう。

冬期 京都市立芸術大学 実戦実技模試

描写

モチーフ:南瓜1個、するめ1枚、収穫ネット1枚、段ボール紙1枚

240/250点
240/250点
240/250点
240/250点
230/250点
230/250点

色彩

課題:「与えられたするめをよく観察し、色彩で構成しなさい。」

230/250点
230/250点
230/250点
230/250点
230/250点
230/250点

立体

課題:「与えられた材料を用い2つの立体を条件にしたがって表現しなさい。」

232/250点
232/250点
230/250点
230/250点
230/250点
230/250点

夏期 京都市立芸術大学 実戦実技模試

描写

モチーフ:缶詰3個、レモン1個、プラスティック製チェーン90cm

210/250点
210/250点
208/250点
208/250点
206/250点
206/250点

色彩

課題:「時」を色彩で自由に表現しなさい。

200/250点
200/250点
198/250点
198/250点
195/250点
195/250点

立体

課題テーマ:「種子と果実の関係」

202/250点
202/250点
200/250点
200/250点
196/250点
196/250点

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