FILE 191 ・京芸対策「夏期講習」の意義

3.模試によるステップアップ実例

さて、夏期講習と夏期模試の意義について理解してもらえたでしょうか。話が少し理屈っぽくなりましたので、ここでは具体例を見ていきましょう。
19年度合格者の中から各科目2名ずつ、計6名の「模試作品」と「入試再現作品」を紹介します。
3回の模試作品(夏期・冬期・直前)と入試再現作品を見比べることで、合格者がどのようにステップアップし、合格に繋がっていったのかがわかるようになっています。受験生の皆さんには、これを参考にして、ぜひ夏期講習の目標を立ててもらいたいと思います。

アスクではこれまで、「年3回の模試でステップアップ~合格」ということを京芸対策の柱として位置づけてきました。しかし近年、京芸の出題範囲に拡大する傾向が見られるようになったため、アスクの模試においても出題範囲を広げて対応しています。したがって、「3回の模試でステップアップしていく」ことに加え、「各模試で様々な出題傾向への対応能力を身につける」という位置づけも重要になってきています。

描写

  夏期模試 冬期模試 直前模試 入試
Aさん
168/250

188/250

248/250

248/250
模試では製作途中の指導が行われないので、自分の抱えている問題点が浮き彫りになります。Aさんの描写力は、夏期模試の時点ですでに比較的高いレベルにありました。中でも構図・構成に対する判断力は、本番の入試でも十分に通用するレベルにあったと思います。その一方で、材質感の描き分けに関しては、冬期模試までは高いレベルとはいえない状態でした。しかし、センター試験後、実技に集中できる環境の中で対策を重ね、より密度の高い描写力、表現力を備えていき、実際の入試では直前模試と同じく248点という満点に近い高得点を獲得することができました。
描写 248/250点
色彩 142/250点
立体 152/250点
合計 542/750 点
Bさん
68/250

96/250

76/250

236/250
夏期・冬期・直前の3回の模試では、なかなか点数を伸ばすことができなかったBさん。しかし、毎回の模試の中で、確実に改善すべきポイントを学んでいきました。 実際の京芸入試では様々なタイプの課題が出題されます。そのため、アスクの3回の模試の中でも、バリエーションを持たせた出題をしています。昨年度の模試でも、3回ともに異なる趣向のモチーフを出題しました。Bさんはこの3回の模試を経験することによって、様々な課題に対する対応能力を身につけることができたのではないでしょうか。 その結果、実際の入試では落ち着いて普段の実力を出すことができ、236点という高得点を獲得することができました。
描写 236/250点
色彩 80/250点
立体 52/250点
合計 368/750 点

色彩

  夏期模試 冬期模試 直前模試 入試
Cくん
180/250

118/250

200/250

242/250

もともと高い実技力を持っていたCくん。しかし、冬期模試では「テーマに対する反応」が弱く、技術力は高いものの、点数は118点にとどまりました。Cくんはこの結果を真摯に受け止め、直前講習の対策の中で「テーマに対して答える」ことに努めました。その結果、入試本番では見事に242点という高得点を獲得することができました。例年、アスクの模試には約160名が受験します。そういった場で、他の多くの作品と自分の作品を比較することによって、自分自身の弱点が浮き彫りになり、その後の対策の方針がより明確なものになっていったのでしょう。

描写 196/250点
色彩 242/250点
立体 96/250点
合計 534/750 点
Dさん
120/250

226/250

230/250

236/250
3回の模試を通して順調に点数を伸ばしていったDさん。夏期模試では、発想が独創的で目を引く作品ではあるものの、「テーマに対しての解答」としては適切なものではなく、120点という点数に終わりました。その後の対策で、Cくん同様に「テーマに適切に答える力」「課題文を読み解く力」を鍛え、冬期模試と直前模試では200点超えの高得点を獲得。実際の入試でも236点という高得点を獲得することができました。 近年の京芸入試では、「テーマや条件に対して適切に答えること」が評価の観点となっています。自身の描き慣れた「もの」や「構成」に固執するのではなく、毎回の課題で問われていることを、適切に読み解く力を身につけましょう。
描写 200/250点
色彩 236/250点
立体 64/250点
合計 500/750 点

立体

  夏期模試 冬期模試 直前模試 入試
Eさん 122/250
168/250

218/250

236/250
立体に苦手意識を持っている受験生は少なくないでしょう。Eさんも、「思い描く形はあるのに、思うように立体に起こすことができない」と感じている受験生の一人でした。講習中には、積極的に自身の改善点を担当講師に質問しているEさんの姿をよく目にしました。魅力的な作品を制作するためには、まず理論を知る必要があります。アスクの模試では、まさにこの理論を受験生の皆さんに伝えているのです。さらにEさんのように、個別相談の時間を使って自分自身の抱えている問題点を相談してもらえれば、我々講師も一緒に解決策を考えることができます。Eさんは積極的に自分の問題点に取り組んだ結果、着実に点数をUPしていき、苦手意識を持っていた立体で236点という高得点を獲得することができました。
描写 178/250点
色彩 34/250点
立体 236/250点
合計 448/750 点
Fさん
242/250

198/250

250/250

250/250
年3回実施されるアスクの京芸模試の立体では、京芸立体課題の出題傾向を踏まえ、変化に富んだ様々な傾向の課題が出題されます。Fさんは、立体を得意科目としていた生徒で、3回の模試すべてで高得点を獲得していました。直前模試では自身の実力をいつもどおりに発揮することができ、満点の250点を獲得。実際の入試でも落ち着いて課題を読み解き、同じく満点の250点を獲得しています。入試では、「様々な傾向の出題すべてに的確に対応する力」が求められることを、Fさんは常々理解していました。そして、入試本番では、まさに変化のある課題が出題されましたが、これまでの経験と、確かな自信があったために、慌てることなく的確に対応し、見事満点を獲得することができたのです。
描写 112/250点
色彩 156/250点
立体 250/250点
合計 518/750 点



次回予告

今回の京芸ファイルをお読みいただき、誠にありがとうございました。
次回は『20年度入試に向けて 後期対策の課題』を8/17(土)に掲載する予定です。京芸受験に向けた1年間の対策の流れを振り返り、夏期講習を終えて続く「後期授業の意義」に対する考え方をまとめる予定です。次回もぜひ、お読み下さい。

※内容は予告なく変更になる事があります。

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