京芸ファイル200:2020年度 合格再現作品紹介 ◆ 京都アートスクール

FILE 200 ・2020年度 合格再現作品紹介

立体

■問題概要

与えられたケント紙を使って「空気を支える形」
を下記の条件に基づいて立体表現しなさい。

  • ・条件(一部抜粋)
  • 1.解答用材料として、ケント紙を使用しなさい。
  • 2.解答用材料はすべて使いきらなくてもよい。
  • 3.ケント紙の接着には、木工用速乾接着剤、紙粘着テープのみを使用しなさい。
  • 4.解答作品は解答用台(35㎝×35㎝)をはみ出さず、また高さ35㎝からはみ出さないこと。
【支給されるもの】
 
解答用材料
:ケント紙4枚
接着材料
:木工用速乾接着剤1個、紙粘着テープ1巻
解答用台
:茶色段ボール1枚(35cmX35cm)
移動用カバー
:茶色段ボール箱1個、カバー固定用テープ2枚
制作支援用品
:灰色ボール紙1枚40cmX55cm(作業用)、上質紙3枚(アイデアスケッチ用)

■解答用材料

■合格再現作例

作例1 美術科合格 Kさん (北大路校/高卒生)

作者コメント
「空気を支える形」というテーマを見た時に、そもそも空気は支えられるのか?と思って悩みました。かなり漠然としたテーマを自分なりに作品に落とし込むにはどうしたらいいのかを考え、普段の生活を振り返ってみると、私が住んでいる所は電柱や電線が多いことを思い出しました。そこで、電線を網に見立てて「空気を支える」ことを表現しました。あくまで立体構成なので、具象的になりすぎないように気をつけながら制作しました。

作例2 デザイン科合格 Lさん (北大路校/高卒生)

作者コメント
実際に身の回りで空気を支えている形とは何かを考えた時に、 気球や船の帆など、「空気を受けて立体を成しているものの形だ」という発想に至り、「下からの空気を支えるもの」と「それを張る棒」の組み合わせで立体を作成しました。結果的には意図の読みとりにくい出来になってしまったし、試験時間が終わりに近づくにつれて周囲は受け皿や囲いのような、いかにも抽象的に分かり易く空気を支える形を作っていることに気づき、少し考えすぎたかなとかなり落ち込みました。

作例3 美術科合格 Mさん (七条校/高卒生)

作者コメント
解答材料はいつも使いなれているケント紙だったので、これは「テーマに重点を置いたほうがいいな」と思いました。高さ35cm幅35cm奥行き35cmを最大限まで活かしたので、ものすごく大きい解答作品になりました。一つ悔しいのは、askの先生に「横から見た形が単調」だとよく指摘されていたのに、本番でもそこまで意識がいかなかったことです。空気が入ったことによって形がどのように変化しているのかを考えながら制作しました。

作例4 美術科合格 Nさん (北大路校/現役生)

作者コメント
「空気を支える形」から、まず風船や浮き輪、水に空気を入れた時にできる泡をイメージし、どれも綺麗な丸みを帯びていることから、その丸みを利用して作品を作ろうと思いました。実体がない「軽い空気」に対して、支えている感を出しすぎると「重いものを支えているように見える」ことを懸念して作ったため、逆に「支える」から離れていったのが良くなかったと思います。また、立たないことを恐れて安定させすぎてしまいました。

作例5 工芸科合格 Oさん (NET生/現役生)

作者コメント
問題用紙を読んだ瞬間、「はぁ!?」と思いました。空気なんて目に見えないものを、重量も形もないモノを、どうやって支えろと?それを支える「形」ってなんぞ?と。でも逆に考えれば、空気を支える物は軽い形(解放立体)で十分で、むしろ陶器のような重い形(閉鎖立体)は空気を支える形としては違うのではないか…。空気は形がない、ならば直線より曲線の方が適切なのでは?そういう「瞬発力」というか、「発想力」が問われた問題だと思いました。

次回予告

次回は今月に続いて『2020年度 合格再現作品紹介』を4/17(金)に掲載する予定です。今月に続いて、合格再現作品を作者のコメントと共にご紹介する予定です。

合格再現作品を直にご覧になりたい方は、3月27日(金)にキャンパスプラザ京都で行われる芸大受験説明会にぜひご参加ください。

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