京都市立芸術大学 工芸京都 朱雀高等学校出身 |
アスクには現役時代からすでに通っていたが、受験を途中で放棄した苦い経験が有った。通信制の学校を卒業して、バイトをしたりと悶々とした日々の末、数ヶ月ぶりにアスクの春期講習に参加した。始めは、京芸受験は目標が高いと思い込み、半ば諦めかけていたが、先生の「とりあえずやってみたら」の一言でとりあえず初めてみた。
4月からの浪人生活。当初は慣れない生活に付いて行けるか不安だったが、先生の真摯な指導と気安く話せる友人の存在が浪人生活を充実したものにしてくれた。現役の自分には気付けなかったアスクの受験に対するきめ細かい当たり方を垣間見ることができた。とにかく色彩・立体(構成系)は人の真似から入って、自分に無理のない範囲で自分の作品に取り込んで消化してゆくのが良いだろう。自分は色彩構成が一番苦手だったので、なかなか先生の指導を受け入れられなかったり、評価の基準がつかめなかったりしたが、枚数を重ねる内に徐々に課題の持つ意味が理解出来るようになっていった。しかし同時に、自分の譲れない部分を持つことが受験には有効だと思う。課題の制約の中でどれだけ自分の表現を絵に忍び込ませることが出来るか探っていくことがモチベーションの上昇につながる。
試験当日は自分でも不思議なくらい落ち着けた。アスクで繰り返しやったことを試験場で再現するのだくらいの意識で取り組んだ。アスクで学んだ、建設的な妥協と、こだわりへの粘り強い取り組みは大学の制作でも生きてくると思う。