私が、ある国公立一般大学から芸術系の大学へ進路を急変させたのは、高校2年生11月の事である。
　周囲にはもちろん驚かれたし、進路を変更した自分自身、「今からでは遅くないか。」「まともに鉛筆の削り方も知らない、まともに絵筆の使い方も知らない私は、何から始めればよいのか。」という焦燥感、迷いを感じずにはいられなかった。美術的知識、技術がほぼ皆無な状態での進路変更であったのだ。何故そんなことを言い出かしたかというのは、話すと長くなるので止めておくが、芸術系の進路に対する熱い想いがあった。

　そんな自分にとって、基本的な疑問や質問に懇切丁寧に答えてくれる、質問せずとも私の作品をみて的確なアドバイスをくれるアスクの授業は、本当に力になった。
　力になったのは技術面だけではない。個性豊かな先生方、アスクで出来た切磋琢磨出来る友人達と過ごす時間は、心の支えにもなった。それに、関西の芸術系大学の合同説明会を始めとした、アスクが大学の教授、関係者の方々を招いて行ってくれた企画は、それぞれの大学の特徴、活動を知ることができ、大学選びにとても役立った。私が成安造形大学のイラストレーション領域に進路決定したのも、アスクのクロッキー会に成安の教授がいらしていたことが大きく影響している。
　私はＡＯ入試で大学に合格したのだが、これにはアスクのＡＯ入試対策で培ったことが大いに力になった。ＡＯ入試対策で教わったことの中には、何も入試だけではなく、今後クリエイティブな活動を続けていく上でとても大切で、役に立つものがとても多かった。
　進路を考える状況にある人には、後悔しない進路選択ができるように、学びたい事が学べる大学を徹底的に調べてほしい。美大は、大学ごとに大きく違った個性を持っているので、少しでも興味がある大学のオープンキャンパスには全て足を運んだほうがいいと思う。