■京都アートスクールでは、12月13日(月)から1月16日(日)までを冬期講習としています。
冬期講習は大学入学共通テスト（以下、共通テスト）前の期間でもありますので、学科と実技とのバランスをとりながら対策を行わなければなりません。
共通テスト1週間前の1月8日（土）から、一旦実技対策は休講となりますので、その期間は共通テストに向けた学科対策に集中し、万全の準備を整えましょう。
1月7日（金）までの冬期講習実技対策の特徴は「リピート制作」です。
同一課題に繰り返し取り組むことで自身の問題点を洗い出し、改善していきます。また、同一課題に取り組むので、その中で普段自分が選択しないような制作方法を試すことも可能です。この実験的ともいえる制作ができるのは、冬期講習が最後のチャンスだといえます。
さらに、冬期京芸模試を受けることで2021年の実技対策の総括を行い、1月からの取り組むべき実技のポイントを確認しておきましょう。
共通テスト対策で実技の講習を受けることができないという人は、冬期京芸模試だけでも受験して、自身の現状を確認するようにしてください。
総合芸術学科志望の受験生は、色彩や立体の時間に、小論文か描写課題を行います。


そして、いよいよ1月17日（月）から直前講習となります。
直前講習とは、まさに「入試本番への対策を集大成する過程」ですから、あくまでも得点にこだわった制作が求められます。
この「得点にこだわった制作」とは、「より高得点が取れる作品を制作する」ということです。そして、それを実践するための方法には、「点を上げることを目指す制作」と、「点を大きく落とさないことを目指す制作」の二つの方向があります。
いずれも重要ですから、どちらの学習も必要なのはいうまでもありません。しかし、「どちらを優先するか」と問われれば、それは「点を大きく落とさないことを目指す制作」の方です。
直前講習とは、これまでに蓄えてきたさまざまな力をまとめ上げ、入試本番で確実に点が取れるようにするための、重要な最終調整の時間なのです。

■冬期講習・直前講習を受講する際、絶対に忘れてはならない二つの目的があります。

①課題制作を通して自分が成長する（レベルアップする）

②課題に的確に対応し、高得点作品を完成させる（課題への対応力をつける）

京芸の実技試験の出題範囲は、描写・色彩・立体ともにかなり広範囲にわたります。
出題の幅が狭い場合は、類題の制作を繰り返す中で「自分の問題点を意識し、その修正やレベルアップを図る」ということだけに集中できるのですが、近年の京芸のように極端に出題の幅が広い場合には、「大きく傾向の異なる課題にも対応できる力」をつけなければなりません。そのためには、出題の可能性が低いと思われる課題への対策も必要になります。
しかし、そういった課題への対策を期間の限られた冬期講習・直前講習の中で何度も繰り返すことは、現実的に考えて無理があります。したがって、1回1回の制作を大切にし、そこからさまざまな傾向を持つ課題への対応力を確実に学び取る姿勢が大切になってきます。
しかし、1回の制作の中で複数の可能性を試すことは不可能です。そこで重要になってくるのが、作品完成後に行われる講評会です。講評会では生徒それぞれの完成作品が評価され、その評価のポイントや、作品傾向に対するさまざまなアドバイスが示されます。つまり、貼り出された作品と、それに対する講師の解説を通して、他の生徒の「試行錯誤」や「成功と失敗」を自分のものにすることができるのです。
講評会「自分の作品について反省する」ことはもちろん大切ですが、「他の生徒の作品から学ぶ」ということも決して忘れないようにしてください。冬期講習・直前講習で学べることは、まだまだたくさんあるのです。

制作（講師による導入、前回の制作の反省点を踏まえて）

問題をしっかり読み込み、集中して制作する
○明確な目標を持って臨む（※①レベルアップ）
○新たな課題への対応方法を試行し、時間内に完成させる （※②課題への対応）
（目標を持つこと、計画を立てること、時間を効率的に使って作品の完成度にこだわること）

講評

自分の作品を客観的に見る、講師の講評を聞く
他の生徒の作品を見る、それに対する講評を聞く
講師に質問する、友人の意見を聞く （講評はしっかりメモすること）
○到達度の確認、課題の発見（※①レベルアップ）
○今回の課題への対応について確認（※②課題への対応）
（一喜一憂するのではなく、冷静に分析すること）

次回の制作

• 1.受験生向け冬期講習・直前講習の心得
• 2.受験生向け冬期講習・直前講習の計画
• 3.基礎生向け冬期講習の心得と計画

• 次回予告