FILE 221 ・京芸現役合格を目指す!

2.受験対策の開始について

実技対策は早く始める

試験科目数の多い京芸の受験対策には時間がかかります。そのため、特に実技に関しては、できるだけ早めに対策を開始したほうが有利です。とはいっても、1・2年生の段階では目標が未確定な場合も多いはず。そんな場合は、予備校や画塾が行っている無料講座などに参加してみると良いでしょう。
アスクでは、通常授業の期間中、毎週日曜日に実施している 「無料体験への申し込みを受け付けています月曜日~土曜日に実施している「無料Zoom受験相談への申し込みも受け付けています。これらを積極的に活用して、大学受験対策についての不安を解消していきましょう。さらに、基礎生に向けた冬の無料イベントとして、「高校1、2年生対象受験対策説明会も毎年実施しています。今年はこの説明会をオンライン&アーカイブで実施しますので、遠方の方や当日日程が合わない方にも参加していただくことが可能です。こういった機会を利用して実技対策を体験し、入試に関する情報を入手しておくと、受験準備にとても役立ちます。また、無料ではありませんが、「冬期 京都市立芸術大学実戦実技模試 講評会見学や、基礎生に向けた実技模試「鉛筆デッサン模試も行われますので、自分の実技レベルを確認するためにも、積極的に利用すると良いでしょう。ただし、「高校1・2年生対象鉛筆デッサン模試」は実技模試なので、初心者の方は受験することができません。模試までに実技対策を開始して受験しましょう。

授業での受験対策

無料講座や体験入学を経験して方向性が決まったら、京芸対策を行っている予備校や画塾の講習を受けたり、本科に入学するなどして、できるだけ早く受験対策を始めましょう。その際、肝に銘じておいて欲しいポイントは、「一回一回、明確な目的意識を持って制作を行う」ということです。特に試験科目数が多い京芸では、対策時間と対策内容の配分について、事前に綿密に計画を立てておくことが不可欠です。さらに、各科目に割ける時間は限られているため、「その時間の中で確実に学び取る」という姿勢を持つことが非常に重要となります。 1・2年生の段階からしっかりと受験対策を行えば、現役合格の可能性は格段に高まります。現役合格を実現するためにも、ぜひ、この秋から対策を開始したいものです。

最後に、京都アートスクールで行っている基礎科の課題例を紹介します。
描写・色彩・立体それぞれの課題例①にはNET通信実技コースの導入動画も掲載しているので是非参考にして下さい。

描写

◆描写対策は、その他の課題(色彩・立体)の基礎としても非常に重要です。「固有色・明暗」(課題例①)、「立体表現」(課題例②)、「レタリング」(課題例③)など、テーマごとに設定された課題の中で、「形態や明暗の観察法」や「質感や空間の表現法」といった表現の基本を学びます。

課題例①
立方体の一部をつぶすことによって表れる「形の変化」や、そのことによっておこる「明暗の変化」を観察し、描きます。細やかな明暗の変化を、鉛筆の種類を変えたり、筆圧をコントロールしながら表現することで、鉛筆描写の基礎力が身に付きます。

描写課題3

課題例②
モチーフの配置による「動きの演出」や、「モチーフと余白の関係」に関して学びます。このような構成デッサン課題を通して「空間的・動的構成」を学ぶことは、描写のみならず、色彩構成にも役立ちます。

描写課題2

課題例③
文字が入ったモチーフを描きます。文字の書かれたものを描くことで、空間的な面の変化や床面を認識し、「平面である画面の中に空間を表現する」ことを学びます。

色彩

◆京芸の色彩は出題範囲が広いという特徴があります。そのため、様々な出題パターンに対応できるような幅広い対策が求められます。
例えば、京芸入試の色彩表現に対応するためには、平塗りによる平面構成課題を通して「色彩の基本概念」を学ぶ(課題例①)と同時に、「不透明水彩絵の具を用いた絵画的表現」を学ぶ(課題例②)ことも必要です。
3年生になって実戦的な学習を始める前に「色彩構成の基本概念」を理解し、「不透明水彩絵の具を使った基本的な表現技術」を習得します。そのためには、13年度入試以降廃止された課題「着彩描写」に関しても、色彩の基礎学習として引き続き学んでいくことが大切です(課題例③)。

課題例①
明度・色相・彩度(色の三属性)について様々な課題を通して繰り返し学んでいきます。この課題では白黒写真の明度を手がかりに、「リアルな画面の作成」を目指します。

課題例②
通常とは違う視点で構成を考えることにより、その後の表現の幅を広げます。色彩構成の実技力を向上させるためには、「色彩の魅力を求める」だけではなく、「構図を工夫する」ことも必要です。色彩と構図に関して学び、表現の魅力を高めていきます。

課題例③
タマネギを、指定された3つの方法で着彩します。もちろん、モチーフをよく観察することが大切ですが、それだけでは着彩描写を始めることはできません。「色を合わせる」「塗る」「描く」といった、「透明水彩絵の具を使った基本的な彩色方法」と「筆を使った描画技法」を学びます。

立体

◆京芸入試では、立体課題に様々な材料が出題される可能性があるため、入試までにできるだけ多くの材料を用いた立体制作を経験しておくことが大切です。しかし1・2年生の段階では、まずは基本をおさえておくことが重要となります。ケント紙による構成課題(課題例①)や粘土を用いた観察描写課題(課題例②※構成課題の側面もあります)に繰り返し取り組む中で、構成力・観察力・表現力を鍛えていきます。その上で、いくつかの他素材とケント紙を組み合わせた制作(課題例③)などにも挑戦し、対策の幅を広げていきましょう。

課題例①
多くのパーツを作ることにより、まずは「ケント紙の加工」に慣れていきます。この課題は、加工精度を高めるために有効であると同時に、空間構成に関しての理解を深めるためにも最適な課題です。

課題例②
「りんごと立方体が組み合わさった立体」を水粘土を用いて構成表現します。りんごの有機的な形と立方体の幾何形体の特徴を生かした構成・表現が求められます。

課題例③
針金とケント紙を用いて「植物のイメージ」を表現します。単に植物らしい形を表現するのではなく、「2種の材料(線材・面材)の特性と魅力を対比的に生かした造形」とすることがポイントです。

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